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そして、この旅を終える日。

28 Apr 2013

この旅、最後の地。


それがハワイだったことに大きな意味を感じます。


旅をしている間、これからのことをたくさん考えました。


けれども旅の終わりのキモチだけはずっと想像できずにこの日まで来たのです。




「もっともっと旅を続けていたい」




そう思いながら旅を終えるような気もしていました。






好きな場所に好きなだけ。
好きな人と好きなだけ。







そんな日々を過ごしていたから
夢から覚めるような気分で帰国して
また、忙しい日々に引き戻されるような
そんなマイナスイメージがあったんだと思います。


だけど・・・ハワイに抱かれながら思ったこと。


それは旅を夢見て旅立ち、旅をしていてもなお、今の今まで想像もしない想いだったのです。




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旅が終わるような気分ではなかった








IMG_7185sachihawaii.JPG




その時わたしは旅を続けるとか、やめるとか、終えるとか
そういう旅への想いとはまったく別の次元で新しい暮らしのことを楽しみにしていました。




「新しい暮らし」




わたしは・・・その時パートナーとの間に新しい家族を望んでいました。


一度日本に帰ってまた旅に出ようとも思っていましたが
一番欲しいものは言葉にするまでもありませんでした。


だから、名残惜しさとか恋しさとか、旅へのそういった類の想いは
まったくと言っていいほど沸かず


新しいステージへ進むことだけを考えていたのです。




旅への想いはと言えば、過ぎた時間にただただ満たされていた。




それだけでした。




“この旅は終わる”のではなく、私たちのこれからは
この旅の延長線上にあるような感覚だったのかもしれません。


だからなのか
世界一周を「やってやったぞ!」という感じでもなく、
振り返って干渉に浸るという訳でもなく


夕日が沈み今日が終わるように、2年4ヶ月の世界旅が終わり
朝日が昇りまた一日が始まるように、新たなステージへ進む。


ただ、それだけのように思っていました。


いつの間にか、私たちにとって世界を旅することは
それだけ普通のことになっていたのかもしれません。


IMG_8947sachihawaii.JPG


パートナーとも、しんみりと旅を振り返って語るようなことはありませんでした。


そう、彼もまた同じ方向を見ていたから。




「さ、次、行こっか」




そんな言葉しか交わしませんでした。


それは私たちの性格と旅のスタイルもあったからだとも思います。


もともと急いで旅するタイプでもなく、「あっちもこっちも」というよりは
その場その場の出会いやフィーリングを大切にしていたし
美味しい料理に出合えば、そこで長期間留まって料理を習っていたりもしていました。


パートナーと行きたい方向が異なれば別行動だってしました、何度も。


必ず一緒にいる必要も感じなかったし
お互いが各々の好きなように旅して、共有できる時は共有すればいいと思っていました。
そうやって、高めあえる関係を望んでいたのです。


この旅で収穫したことはたくさんあるけれど
わたしの中で特に大きい収穫はパートナーとの関係だったと思うのです。


夫婦が普通、夫婦の時間を共にする時間よりも何十倍も同じ時間を過ごした私たち。


日本で生活しているだけでは体験しない岐路だって何度も経験しました。


時間がすべてではないけれど、夫婦の絆はそれだけ強くなったと思います。


わたしはもともと、バックパッカーで一人旅ができるような
そんなタイプではありませんでした。


英語もできなかったし、外国人が怖かったのです。


初めて泊まったゲストハウスで、便座の真横にシャワーがあって
シャワーを浴びると便座までびしょ濡れになってしまうことに
「バックパッカーってこういうこと?」とショックを覚えたし


屋台で食べるごはんでおなかをくだしてしまわないか心配で
毎回パートナーに「これは食べてもいいもの?」と確認していました。


こうやって書いてみると、その頃の自分がかわいく、
愛おしさまで覚えてしまうほどです。


よくそれで2年以上も旅したな、と思えるけれど
すべてはパートナーが寛容だったからだと思います。


心配性のわたしを一度も煙たがらず、心配するたびにちゃんとケアしてくれたのです。


そしてわたしも、わたしのことを少しだけ知ることができたことも大きかったと思います。






「自分のことは、自分が一番分かっていない」






常々そう思うのですが、この旅のおかげでなんとなく分かった自分のこと。


それは、わたしは「怖い怖い!」と初めてのことに怯えながらも


いざ、その場になってしまえば慣れるのがとても早い人らしい・・・
旅の様々な場面に遭遇する度に気付かされました。


そんなわたしの性格とパートナーの寛容さのおかげで
恐る恐る始めたバックパッカー旅でも、慣れてしまうのは比較的早かったのでしょう。






3泊4日、バスに乗り続けて移動をしたこともあった。
アフリカでビスケットしか食べるものがない日もあった。
ジャングルの中、壁のない掘っ立て小屋で修行のような経験もした。






それでも・・・隣に彼という人が存在するだけで、わたしはそれだけで楽しかったのです。


かと言って、お互いそんなにステキなところばかりではありません。


「こんなはずじゃなかった!」なんてこと、言い出せばいくらだってあります。


気付けば安い移動手段と今後の目的を含めて考える旅のルートはわたしが全部作っていたし、
保険やお金の管理諸々・・・とにかく旅のほとんどのことをわたしがこなしていました。


パートナーが言い出したweb siteの更新、コンテンツ作成諸々もほぼわたしです。


陽気でお気楽なパートナーのやっていたことと言えば、外国人・現地人含め
コミュニケーションという役割がほとんどだったんじゃないでしょうか。


どう考えても、わたしのやることの割合が圧倒的に多くなっていったのです。


それでも私たちは喧嘩をしませんでした。


無数の「こんなはずじゃなかった」も、不思議なことに許せる範囲だったのでしょう。


意外と自分は好きでそういうことをやっていたことにも気付いたし
わたしには出来ないことをパートナーがやっていたので


それでいいんじゃないのかな、と思っていたのです。






知らなかった自分に出会って
知らなかった彼に出会えた。






理想の人はなかなかこの世の中にいないけど
理想に近づく努力は、やっぱりこの人としかできない。






そう気付かせてくれたのが、この旅だったんだと思います。


わたしは旅をしたかったんじゃない。


わたしは彼と旅をしたかったんだ。




彼が瓶ビールの栓を抜く度に、シャツの袖で毎回瓶の口を拭いてくれていたこと、
わたしは知っています。




年に数回サプライズをすることよりも
そんな日々のちいさなことが、人生を共にする上で大切なことなんだと思います。






* * * * * * * * * * * * * * * * * * *






旅が終わりに近づくにつれ、わたしがセンチメンタルに思っていたことは




壮大な景色を見れなくなることでもなく
自由に生きられなくなることでもなく




暮れ行く夕陽を見るためだけに、地平線が見える場所を探したり
夕食の買出し帰りに重い荷物を持ちながら、他愛のない話をしたり




日々のふつうが、なくなってしまうのではないかと思うたびに
なんだか胸がきゅーっと締め付けられました。


IMG_9526sachihawaii.JPG






この旅、最後の地。


それがハワイだったことに、大きな意味を感じます。


わたしの「嬉しい」「悲しい」をひとつの紙の上に広げてみると


これからの道はシンプルに照らし出されてきました。


ハワイの雄大な自然に溶け込むように暮らす家族を見るたびに


「私たちのこれから欲しい未来」が
旅よりも家族だということを感じずにはいられませんでした。


そんな憧れの家族の形に、自分たちの未来を重ねては


旅への後ろ髪をひかれる想いは消えてなくなり


わが子をこの腕で抱いてみたい、そんな想いがふつふつと沸いてきたのは


もう必然としか言いようがありません。




アマゾンでシャーマニズム体験をし、未来を見た時
ペルーの一般家庭にホームステイをして、いつでも明るく料理の上手なママに出会った時




“みんなで美味しい料理を食べて、笑顔いっぱいの家庭を築きたい”


小さい子どもの夢みたいだけど・・・いつだって、そう思っていました。


わたしの旅で気付いた大きな点は、いま、ここにつながっていて
やっと線になった、そんな気がするのです。






* * * * * * * * * * * * * * * * * * *






愛すること、旅をすること、生きること、暮らすこと






すべてはわたしの歩く線上にあって


旅は旅。
暮らしは暮らし・・・ではなくて


旅も暮らしも、愛することで生きることでした。


そんな簡単で大切なことにようやく気付いたのです。




だから・・・旅で気付いた


受け入れること、歩み寄ること、寄り添うこと、信じること




このことを胸に私たちはこれからも


愛し、旅し、生き、暮らしていきます。




2012年2月21日 帰国


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これから数日後に生まれてくるわが子へ
私たちを選んでくれて ありがとう。
2013年4月28日 sachi

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