Home » Blog » Sachi's Blog » インド料理教室
インド料理教室
18 Feb 2010
日本にあるフランスやイタリアなどの外国料理のレストランって
ほとんどは日本人がシェフじゃないですか?
でもインド料理だけはけっこうな割合で、実際にインド人シェフが作っている
気がするんですけど、インドに来て思ったのが
それって日本人にはインドの味を作るのが難しいからではないのかな!?と思うんです。
もちろん、経済的なことやもろもろ理由は他にもあるとは思うんですけど・・・。
と言うのが、日本人はだしのうまみ文化なので、インド料理のスパイスでの美味しさを
表現するのが難しいんだろうなと思います。
実際、インドで食べるインド料理以外のうまみがあるべき食べ物 ( 例えばタイ料理など ) も
インド料理と同じようにうまみがないんですよね。
それはスパイス文化のインドの人が作ればむしろ当たり前なことなのでは・・・と思います。
それと同じで日本人がスパイスを自由自在に扱い、本場のインド料理を再現するのは
苦難の技なのではないか!?と思いながらも、事の真相を知るために!!
インド料理教室に行ってまいりました~!
場所は 「 ヨガのふるさと 」 と呼ばれる北インドのリシュケシュという街。
ヨガを習うためにアシュラム ( 道場 ) に住むツーリストも多い中、
私はヨガよりもまずは料理!と料理教室を探していました。
偶然のぞいた雑貨屋さんに料理教室の張り紙があったので話を聞くと
今まで習ってきたタイやベトナムの料理教室のシステムとは違い、
自分で好きな料理を2品選べて300ルピーだそうです。
せっかく習うのに2品では物足りないので交渉して400ルピー ( 800円 ) で
3品にしてもらい、普段から好きでよく食べる、
・Palak Paneer ( ほうれん草とチーズのカレー )
・Aloo Palota ( じゃがいものインド風パン )
・Mix vegetable pakora ( インド風野菜のてんぷら )
の3品をチョイスし、
インドの人にしては珍しく、予約した内容を詳しく紙に書いたものを作ってくれたので
それを受け取ると、その日を楽しみに待ちました。
クンブメーラの翌日、眠るようにぐっすり寝た・・・いえ、寝過ぎたせいか、
はたまたクンブメーラ筋が疲労を訴えているのか、体がだるく、
マッサージをしてからでも行きたい気分でしたが、うっかりゆるりとしていたら
予約時間が迫っていたので、急いで予約をした雑貨屋さんへ向かいました。
時間ぴったりに駆け込むと、店主に招かれ奥の自宅で腰掛け待つこと数分。
「 ごめんごめん! 」 と接客の仕事を終えて来た店主が、今日の先生です。
雑貨屋の仕事をしながら、料理教室の仕事が入ると店を奥さんに任せて先生をするようです。
その彼が申し訳なさそうに、1時半スタートの予定だったが他の生徒さんの予約も入った為
2時半スタートになったことと、その代わり同じ値段でもう1品追加の計4品作ることに
変更になったと告げられたので、もう1品同じ値段で教えてもらえるなんて願ったり叶ったり!
ラッキーだと思って二つ返事で承諾し、2時半まで時間をつぶしたのでした。
1時間後にまた雑貨屋さんに行くと、近くのビルの屋上に連れて行かれました。
なんと、今日は屋上で料理教室です!!
リシュケシュのガンジス河はインドの中でももっとも綺麗なのではないでしょうか、
青く輝くガンジス河と山に囲まれた絶景の場所で、暖かい太陽の光を浴びながらの
料理教室なんて最高です!!
鈍く重いクンブメーラ筋の痛みも吹っ飛び、一気にテンションがあがっちゃいました。
しかし、すでにダイス状にカットされた野菜を見てがっかり。。。
料理教室巡りをしているので、これを見ると時間短縮系の料理教室だな~と
なんとなく気付いてしてしまいます。
料理教室と言うからには、なんてことない野菜のカットからしてみたいんです。
だって、知らない何かがあるかもしれないですか。
他の生徒さんを待っている間、電話に準備にと細々と忙しそうな先生を見かねて、
何か手伝おっか?と声を掛けると、じゃぁ・・・と恐縮するも、次から次へと命じてきて
私は生徒のはずなのに、そのまま1日中先生のアシスタント的存在になってしまったのでした。
それでも、優しく細かい気遣いをしてくれる先生だったので、まったく嫌な思いを
してないんですけどね!
他の生徒さんはどんな人だろうな~とワクワクしていると現れたのは、
親世代のフランスの方々が9人。
リアル・マッ・ダ~ムです。
陽があたるだのなんだの、ひとしきり騒ぎ、しまいには私のイスまで占拠されちゃいましたが
いいんですよ、別に。若者は立ってると言うのが日本の常識ですからね。
そんなマダムたちをようやく先生が間を挟んで授業開始です!
今日のメニューは私が提案したメニュー3品に加えて、Mix vegetable curry が加わり、計4品。
まず始めにほうれん草とチーズのカレー、Palak paneer からです。
どうしてこんなに緑なものかと思ったら、すごい量のほうれん草を使ってました。
こんなに食べれば貧血防止になりそうです。
そしてビックリしたのが、すご~~~~~~い量の油を使うことです。
フライパンにどぼどぼ油を注いだときは、これから揚げ物でもするのかなと思ったくらいの
油を使います。
はっ!!!
ここでインドカレーの謎が解けました。
インドカレーを食べる時、お皿に盛られる量が少なめなこともさることながら、
その少なめのカレーすら、美味しいのに全部食べられないことがたびたびあり
なんで全部食べられないんだろう・・・と自分自身、気になっていたのですが
カレー ( スパイス ) の色が濃くて分からなかっただけで、すごい量の油が入っていたから
自然と体が拒否して食べられなかったんだと思います。
鉄分を補給出来ても、この油の量じゃぁ死んじゃうよ・・・と傍観しながらも
そんなことはお構いなしに先生は慣れた手つきで進めます。
今日の授業は先生が作って説明するだけで、わたし達はまったく参加出来ない
講義型の授業のようですが、フランス人マダム達は英語が苦手なようで、
かなり簡単な英語でゆっくり説明をしてくれるので、今までで一番分かりやすい授業です。
先生はいつでも質問してね、と優しいので好印象。
マダムたちは半分ひやかしのような感じなので、真剣なのは私1人。
あの様子だとたぶん、マダム達は今日習ったインド料理を実践することは
100パーセントないですね。
しかしほぼ先生を独占で、ラッキー!!隣でアシスタントをしながらもちょこちょこ口を挟み、
メモメモ。。。
教わってみると思った通り、インド料理の最難関であろうスパイス使いをのぞけば
なんてことなさそうです。
ただ!やっぱりスパイスを使いこなすには先が長いな~と言った感じです。
主に使うスパイスは、クミン・マサラ ( ミックススパイス ) ・カルダモンなどと
決まっているのですが、何をどれくらい入れるとどんな味になるか、さっぱり検討がつきません。
だからきっと同じように、インド人もうまみ系の味が分からないんだと思います。
スパイス数種類を鍋に投げ込んだら、塩の投入です。
これがまた!すご~~~~~~いんです。 笑
宗教上、菜食主義者 ( ベジタリアン ) が多いインドの人々が、
男性も女性も揃ってでっぷりお腹な理由がどんどん紐解けます。
だって・・・あんなに油と塩を入れたら太りますよ~!苦笑
日本では塩っ気は、醤油や味噌、うまみであればかつおだし、こんぶだしなどと
バリエーションに富んでいますが、インド料理は塩のみです!!実にシンプル!!!
ってことは、本当にスパイス使いだけがコツなんですよ。
他の Mix vegetable curry もスパイスが違うだけで、大量の油と塩攻撃は同じですし、
兎にも角にもスパイス!マサラ!!
インド風野菜のてんぷらの Mix vegetable pakora も、かきあげにマサラと塩を加えて
じっくり揚げた食べ物ですし、
裏切ることなく、じゃがいもの具が入ったインド風パン Aloo Palota もマサラ味です 。
そう、インドはまぎれもなくマサラ大国なんです。
インド料理は何を食べてもカレー味だと言われますが、これはちょっと違いますね。
Not カレーです。 マサラです。
たぶん、ここ重要です。インド人もこだわると思います。
そして、カレーという名前のメニューはインドにはありません。
インドでは、わたし達がカレーと呼ぶ代物は入っている具の名前で表記されます。
たとえば、「 Palak ( ほうれん草) paneer ( チーズ )」、
「 Aloo ( じゃがいも ) tomato ( トマト )」などと書かれ、
日本やタイカレーのように具だくさんであることは Mix vegetable 以外なく、
だいたい1種類、もしくは2種類しか入ってません。
わたし達外国人がこれらを総称して 「 カレー 」 と呼んでいるだけで
インドにはカレーはありません。
カレーというものは、野菜のマサラ煮込みです。
マサラ味を全部 「 カレーだ! 」 と言ってしまうのなら、
醤油味を全部 「 煮物だ! 」 と言ってしまうことと同じようなことなんだと思います。
日本人にしか分からない、おでんと肉じゃがの醤油使いの違いがあるように
外国人には分からない、繊細なマサラ使いの違いがあるんだと思います。
塩っ気はシンプルに塩しかないのに、どのカレーと呼ばれるものを食べても
全部味が違うんですから、すごいです。
その味の違いが、どのスパイスの違いか分かるには、私にはまだまだ時間と経験が必要です。
最初に予想した通り、インド料理をマスターするには
灼熱のインドで数年生活し、ヒンドゥーの生活に馴染み、身も心もインドに染まらなければ
あのスパイス使いは到底出来ないだろうな・・・と思いながらも
日本でトライする時は、もうちょっと油と塩を減らした健康志向なインド的料理を作ろうと
心に決めるのでした。
このエントリーのトラックバックURL
http://www.one-plus.net/mt/mt-tb.cgi/99
![]() |
Comment
一緒にパッポンに行ったマサです(笑)
インド料理がそんなに油と塩使うとは知らなかったです
カレーも美味しいけどお腹こわして以来どうもカレーを受け付けない・・
お腹つよいと思ってたのに・・・
是非美味しいインドカレーを作ってインド全土に広めてください(笑)
18 Feb 2010 | マサ
マサさん
パッポンではどうもお世話になりました 笑
塩と油の量は目を疑いたくなりますよ!
私もインド入って1ヶ月は、あまりの体調不良さに
インド料理を口に出来ませんでした。。。
今はもう体内環境がインド仕様になってるのでなんでもokです!
マサさんもその日が近いのではないですか!?
日本に帰ったら、インドカレーをもうちょっと健康志向レシピにして
日本人の好きな味が作れたらいいです☆
19 Feb 2010 | Sachi
はじめまして!旅音さんのところから飛んできました~!
なんと興味深い料理教室・・・・でも、Sachiさんが仰るように
野菜を切るところからやってみたいですよね!
写真を見るかぎり、この先生の油の量はインド人家庭の
それよりもかなり多いみたいです。
インドのいろんな面をどんどん紹介してくださいませ~!!
22 Feb 2010 | Blue Lotus
Blue Lotusさん
はじめまして!
世界一周しながら、各国料理を楽しみながら学んでるのですが
毎回毎回いろんな発見があり、本当におもしろいです。
旅だけでは分からない、その国に近づける気がすると言うか・・・。
ですので、おっしゃって頂いたように、ただの野菜を切るだけでも
やってみたいんですよね~!
共感して頂けて嬉しいですっ!!
この先生のレシピは油が多いんですね!?
1回習っただけで「インド料理=油が多い」と思いこんでしまうところでした。。
あと1ヶ月インドにいるので、違う先生のレシピも習いに行ってこようと思います♪
23 Feb 2010 | Sachi
インド人って油をとにかく入れるよね〜
スパイスの具合でどう変わるって慣れしたんでいないとなかなか難しそうだね。
インド人のお家にホームステイとかできないかね?
フィジー行くことあったら是非(笑)絶対泊めてくれるよ。
そうそう、高円寺の線路沿いのスパイス屋さん、本当に安いよ。
日本じゃ高いコリアンダーのパウダーとか安く買えるから、キーマカレーとかにめっちゃ入れて作ってるんだ〜
06 Mar 2010 | じゅん
じゅんくん
油使いね、地域や人によって全然違かったんだ!
やっぱり色んな角度から勉強しなきゃダメだなぁって思ったよ。反省。
インド家庭でのホームステイ、簡単に出来ると思うよ 笑
旅に出るまであまり興味のなかったスパイス。。
しかしこれだけインド料理に接していると、興味心をくすぐられちゃうってもんです。
おかげで今や、注文した料理に何が入っているかジーっと見たり、
そのスパイス使いを、インド料理でなく創作和食にするとしたら
どうやってアレンジするか、いっつもいっつも妄想してるよ 笑
高円寺にスパイス屋さんがあったんだ!!!
帰ったらインド人のように大量買いして、創作料理に励むね~~~!
06 Mar 2010 | Sachi
Comment Form