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キューバの村にて思う。

11 Apr 2013

キューバの村。


訪れる観光客からすればフォードやビュイックなど


1950年代のクラシックカーが駆け抜ける首都のハバナでさえ、


郷愁を誘う風景だけれど、ハバナから3時間もバスにのれば


そこはまさにキューバらしいほのぼのした農村が広がっていた。



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ビニャーレス渓谷と呼ばれるこの場所は谷底から島のように岩が迫り上がった


カルスト台地で、その麓では伝統的な農法によってタバコなどが栽培されている。


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車も通る事のない村はずれの朴訥とした風景を散策していると


昔ながらに牛を使って畑を耕しているのを見かけた。


けして直線でない畑を馭者のかけ声や枯れ枝の鞭で実に上手く耕していて


知り合った農家の人に分けてもらったキューバの葉巻をふかしながら、


畝を何往復もするのを飽きもせずずっと眺めていた。


ふと気付くと、掘り起こされた土の跡に水鳥がたくさん集ってくる。


何故だろう?


よく見ているとその鳥達はしきりに土の中にくちばしを入れ、何かをついばんでいる。


そうか、掘り返された土の中から出て来たミミズや小さな虫を食べているんだろう。


牛が草を食み、その糞尿が土を、作物を育て、それを小さな虫が食べ、


それが鳥や小動物の栄養となり、その糞尿や死体がまた土の栄養となり、緑を育てる。


誰もが小学生で習って知っている事だけど、改めてここキューバで


命の循環、エネルギーの循環について考えさせられた。


人間は生態系のトップに君臨してるなんて言われてるけど、


地球からみたら人間だって命の循環の輪の一部分にすぎない。


この命の循環、自然の輪っかから人間だけ飛び出そうなんて奢らず、


どれだけこの地球を豊かにできるか?


それが知恵を授けられた人間の使命ではないだろうか。なんて思ったりしたわけです。


余談ですが、ここキューバに訪れる外国人のなかでも


アメリカ人はかなりの数を占めるという。


むろん、アメリカは未だに前時代的な経済封鎖をキューバに対して行っており、


法律的にはアメリカ人がキューバに入国する事はアメリカでは処罰の対象になる。


それでもなぜアメリカ人はキューバに来るのか。


特有の陽気さや音楽、葉巻やお酒などキューバにはたくさんの魅力があるけれど


アメリカ人が訪れる理由のひとつにキューバの有機農業の視察というのがある。


ご存知の通り、キューバ危機よりアメリカから厳しい経済封鎖を受け、


エネルギーや食料の多くを輸入に頼っていたキューバは危機的状況に陥った。


キューバ政府は石油エネルギーも食料も化学肥料も輸入出来ない中、


食料問題を最大の問題と捉え、食料自給率の向上に力を注ぐことになる。


政府はかつての農法について老人たちに教えを乞い、


限られた物資、労力で出来うるものを作ろうと知恵と力を合わせた。


モノがなければ工夫を重ねる。


かつては機械に頼っていた農業も、石油燃料の枯渇にともない、


トラクターは錆びて使われなくなり、牛耕を復活させ、


地域の気候や土質を研究し化学肥料から有機肥料へとシフトしていった。


小学校から大学までの教育が無料、高度な水準を持つ医療費もタダ。


皮肉にも、長い間アメリカの資本主義経済の影響を受けずにいたおかげで


他国に多くを頼らず、自立した知恵と力を身につけたキューバの有機農業に


今、アメリカが注目しているという事実。


アメリカが途方もない経済成長をとげ、世界中にアメリカンスタンダードを


確立して行く中、巻き起こる貧富の差や紛争。。。。。


果たして、アメリカは真に豊かな国、人を造り上げることが出来たのだろうか?


50年前からアメリカとは違う”今”を創りだしたキューバに


今のアメリカ人はいったい何を感じているんだろうか?


目に見えない経済というバケモノが一人歩きし、


グローバル化という言葉で巻き込まれる国と国との利害関係。


いいことばかりではないかもしれないけれど、少なくとも


僕が見て来た国々の中でも貧富の差も、人種差別もなく


国民の精神的豊かさを一番感じることができたのがここキューバだった。


昨今、聞く事がない日がないほど騒がせているTPP問題も、原発問題も


日本人の得意な創意工夫をもって、子どもたち、その先につづく人々のために


本当に豊かな未来を作るべきではないでしょうか?




閑話休題


柄にもなく、アツく語ってしまいましたが、


ここビニャーレス来た理由のひとつは馬に乗る事でした。


今まで、インドやボリビア、イースター島で馬に乗って以来、


乗馬の楽しさに目覚めてしまって、いつかは自分の馬を持ちたいとも思っている。


自分の中では、この世の中で馬ほどかっこいい動物はいない。


つやつやと輝く毛並に、風にたなびく凛としたたてがみ。


強い意思を秘めた顔つきにしなやかで力強い筋肉。


その姿には高貴、高潔という言葉を授けたいくらい馬を敬愛している。


海外ではホーストレッキングというのも格別珍しい事ではなく、


日本のように手綱を引かれて散歩するだけではなく、初騎乗でも


競馬騎手さながら疾走できるところもある。


正確には勝手に疾走してしまったのだけど。。。。


馬に乗って疾走する感覚は、なんといって表現したらいいかわからないけど、


簡単にいうと、自然と一体となって風になったようだった。


風になりたい人は是非とも馬に乗ってみてもらいたい。


またまた話がずれてしまったが、ここでのホーストレッキングも


期待を裏切る事なく楽しい時間を与えてくれた。


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長閑な農村風景を堪能しながら、曲がりくねったあぜ道をのんびりと進む。


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馬は人に馴れているだけあって、ほとんど手綱で指示することなく


セミオートマティックで険しい坂道も力強くぐんぐん進んでくれる。


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途中、有機栽培で作っているタバコを手作業で葉巻にする工程を見学しながら


シガーを一服。


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まるで映画のように紫煙をくゆらせながら飲んだモヒートは人生で最高の味だった。


自分で育てたタバコで一服するのも最高に気持ちいいだろうな。


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