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音楽のある暮らし
07 Apr 2013
趣味は音楽を聞く事です。
というひとはとりわけ珍しいことではないし、
実際のところ僕だって自己紹介の欄に趣味「音楽」と書いた事はある。
でも音楽は生活の一部です!って断言できるひとは
プロフェッショナルの方を除いてそうそうはいないだろう。
ここキューバであなたにとって音楽とは?って質問をした訳ではないけれど
「NO MUSIC,NO LIFE」って言葉を体感したのはこの国が初めてだったかもしれない。
ある日、ハバナの街を散歩していると
お揃いの白のコスチュームで身を固めた賑やかな楽団が通りかかった。
と、杖をつきながら前を歩いていた老紳士がにわかに激しく踊り出した。
長い年月を感じさせる三つ揃いのスーツは多少くたびれてはいるけれど、
大切に着てこられたのだろう、きっちりと折り目がついている。
その絵になる姿に、写真を撮らせて欲しいとお願いすると一言も語らず、
カメラに目を向ける事もせず皺が刻まれた手を顎にあて、
長い年月を振り返るように遠い空にじっと目を向けていた。
写真を撮り終え、お礼を言うと目を合わせる事もせず、
まるで何事もなかったように激しい踊りの中へと戻っていく老紳士。
確かに杖をついていたはずの老紳士だが、音楽の力は
そんなことなんて簡単に超越してしまうのだ。
日が改まったある日、キューバ音楽界の大御所たちが一同に集ると聞きつけ、
その会場へと足を運んだ。
ここは南国のカリブ海。
日本みたいに時間通りに始まる訳はなく、
準備が整うまでの間は、地元の若い人たちの熱気が会場の温度をあげていく。
そして始まった宴は”情熱”という言葉そのものだった。
音楽の前には老若男女誰も関係なく、
誰も彼もが歌い手であり踊り手であり、
演者と観客という垣根なんていうものはなく、
あるのは音を楽しむという情熱だけだった。
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