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20億年前の記憶
12 Aug 2011
目指すロライマ山は麓から垂直に切り立ったまさに断崖絶壁。
麓から見上げると、はたして本当に登ることが可能なのかと不安を覚えるほど。
今日はこの絶壁を登り、頂上でキャンプをするのだ。
ここギアナ高地は前回お話したように大陸分裂の回転軸にあたり、
かつては全てがひとつだったと言われるパンゲア大陸の時代から移動することなく留まり、
他の大陸が受けたような気候変化の影響も受けず、ずっと熱帯の気候に属していた。
さらには地上との標高差が1000mもある頂上はその絶壁が大きく立ちはだかり、
下界とは隔絶されているため、このテーブルマウンテンの頂上に取り残された
植物は原始の姿を留めながら、独自の変化を遂げることになる。
ガラパゴス諸島が絶海の孤島ならば、こちらは天空に浮かぶ孤島といったところだろうか。
それゆえこの断崖絶壁は20億年の時を超え、失われた世界への入り口といえる。
眼下にはサバンナ、上を見上げるとロライマの岩肌が目前に迫る絶景のキャンプ地を
後にいざ失われた世界へ。
絶壁の岩肌にへばりつくように出来た緑の生い茂る急なこう配を、
ひたすら頂上をめざして登るのみ。
3,4時間ほど歩いただろうか、緑に囲まれた登山ルートが急になくなり
視界が開けた先にあったのは、滝というには角度が浅く、
沢というには角度がありすぎるそんな岩場。
そこをしがみつくようにして越えると明らかに植生が変わったのが分かる。
背の高い木は消えて、パイナップル科の原始植物が目につくようになる。
そしてそこを超えると・・・・
ついに辿り着いたロライマの頂上。
生憎と雨混じりの雲に覆われていたけれど、
そこは奇岩が覆い尽くすまさに異世界だった。
ここの全容を語るにはまだもう少し時間が必要なので
今日はほんのさわり、ここに鎮座する奇岩とそこに住む植物たちを紹介したい。
気の遠くなるような歳月が岩にさえ、命を与えたかのような存在感を醸し出す。
ロライマの頂上は、大量の雨で栄養分のある土が流され、植物には不利な条件。
そのため養分を土からではなく、虫からとる。
つまり、虫から栄養をとる食虫植物が多い。
もちろん20億年前の景色はこれだけではありません。
次回は天空にそびえる孤島からの絶景編 ON THE EDGEをお届けします。
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Comment
出た~!待ってました!!
植物図鑑でしか見たことない、不思議な植物満載。
色も鮮やかですね~。
奇岩のモノトーンとのコントラストが映えるわ~
インド独立記念日の朝・・・
素敵な物を見せてくれてありがとう!
15 Aug 2011 | Blue Lotus
Blue Lotusさん!!
そうでした、今日はインドの独立記念日でしたね。
インド人ではないですけどなんか嬉しいです。
8月のデリーってどれくらいの気温なんだろう??
僕は12年前から3回インドに行ってますが
いつも12~3月でインドの酷暑をそれほど経験して
ないんですよね。
コメントを頂くたびにインドに帰りたい気持ちに
なります!!
16 Aug 2011 | Futoshi
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