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シャーマニズム体験・遭遇編

28 May 2011

3日目の朝。


いつものごとくニワトリの鳴き声とともに朝5時起床。
辺りはまだ薄暗いが朝霧が立ち込め、幻想的な雰囲気。


今日は昨日の足の痛みが嘘のように消えていて晴れやかな朝を迎える。
デトックスが完了したのだろうか、平穏な体調に感謝したい。



電気も壁すらないこの家でもっとも辛いのは夜が長いこと。


昼は暇にまかせてほころびた服を縫ったり、ズホンに刺繍をしたりで
時間がつぶせるのだが、夕方6時には暗くなってしまうここでは夜は
寝ることしか出来ない。


日本で仕事をしていた時の平均睡眠時間は約3時間から4時間半。
そんな生活を何年も続けていた。
そんな訳で、大体3時間おきにぱっと覚醒してしまう。


寝るのが大好きな相方とは裏腹にこの長い夜は僕にはかなりタフな状況。
寝たくないのに寝るしかない状況にかなりの暇を持て余して、
暗くなってからはひたすら朝陽が昇るのを待ち焦がれた。


朝6時。


日の出とともにシャーマンの煎じた薬草を飲む。
これは毎回飲んでもやっぱり苦く、ただの野草の味しかしない。
しかもこれを飲んだ後は、1時間ほど水分も摂ってはいけないため
苦々しさが口に残るのだ。


朝9時。


昨日の残りもののご飯をほんのちょっと口につける。
ここではむろん冷蔵庫なんてない。
キノコでうっすら味のついたご飯を焚火であっためなおすだけのシンプルなもの。
ハエがたかろうが、衛生的に問題があろうがここにあるものを食べるしかない。
郷に入れば郷に従えだ。


昼1時。


今晩はセレモニーの予定なので、午後2時前に最後のご飯を食べなければならない。
ディエタを始めてからすっかり食欲の無くなった僕を見かねてか
今日は目の前のアマゾン河で捕れたナマズに似た魚を
バナナの葉に包んで蒸し焼きにしてくれたものを出してくれる。
バナナの葉っぱを開いた時の湯気とその旨そうな匂いに、
ディエタ開始以来、初めて唾を飲み込むほどの食欲が湧いてくる。
そのグロテスクな外見とは裏腹にしっかりと脂がのっていて臭みもなく、
塩なしでも驚くほどの味わい深さ。
塩なし生活を始めてから食べ物の味に敏感になっているせいもあるだろうけど
この魚は世界一旨いんじゃないかと思うほどとにかく旨いことこの上ない。
大いなるアマゾンの恵みに深々と感謝し、一人で丸々1匹有り難く頂いた。


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今日は月曜日で精霊の力が強まる日だというので密かな期待を抱きつつ
夜のセレモニーへ向けてのんびりと体調を整えていく。


夕方4時。


ディエタの期間中は他人や他の場所から悪いエネルギーを貰わないようにするため、
セレモニーに参加しない人と触れ合うことも敷地内を出ることも好ましくないとのことで
思い思い限られた敷地内で暇をつぶしていたのだが、突然シャーマンの奥さんの体調が
悪くなり、ついには失神して足が硬直してしまうまでに。


生憎、その時シャーマンが不在であったため、
やむなく相方がシャーマンを探しに敷地内の外へ出て行く。
残された僕は医療知識がないことを悔しく思いながらも、脈を測り、硬直した足をさすり、
必死に奥さんの意識が戻るように呼び掛け続ける。
程なくしてシャーマンが帰宅し、そこまで焦った風もなく淡々と祈祷が始まった。


彼女にネガティブエネルギーが取り憑いているのでそれを取り払うという。


まさにこれがシャーマニズムの現実。


この村では病院がないのもあるが、今もなお薬草に詳しいシャーマンが
医者として重要な役割を背負っている。
実際、僕らが滞在していた間も、何人かの人が診療に訪れ薬草を処方してもらったり、
祈祷をしてもらっていた。


なんとか意識を回復した奥さんだったが、
セレモニー中にまた同じような発作が起きないとも限らないし、
このような状態では僕らも心配でそれどころではないため、
今日のセレモニーは中止にする。


月曜日には精霊の力が強まると期待をしていたので、
正直なところ少し残念な所もあったけれど
まずは奥さんの体調回復に努めて貰うより他はない。


実のところ、一回目のセレモニーで恐怖を感じてしまった相方が
気持ちを持ち直すのにもいい時間が取れたと思うと
結果的には今日やらなくて正解だったのだと思う。


夜、また頭が痛いとしくしくと泣き始めた奥さん。
シャーマンがマッサージを施しながら祈祷を始める。
あまりにも痛そうなのでシャーマンの手前、渡すのを遠慮していたバファリンを
飲んでみるか聞いてみる。


意外にもいやな顔ひとつせず、それを奥さんに勧める彼。
かたくなに拒否されることも想像していた僕にとってはその反応に
ちょっとびっくりしたけれど、彼のその態度にものすごく好感が持てた。


薬を受け取ったからといって、僕たちに彼のシャーマンとしての力量を疑う気持ちは
さらさらなく、むしろその彼の優しさや懐の深さ、バランス感覚にますます信頼を深めた。


逆に頑なに拒否されていたら、そのまま彼を師事し続けることは無理だったかもしれない。


夜中、その後も時間をおいて繰り返す奥さんの痛み。


その時も毎度いやな顔ひとつせず、真摯に祈祷とマッサージを続けるシャーマンの背中を見て、彼を選んだ僕たちの判断は間違っていなかった事を確信した。


4日目の朝。


いつもの薬草を飲んで一日が始まった。


今日は朝からアヤワスカを作ると言うのでつきっきりで見せてもらう。
シャーマンとともに鬱蒼としたジャングルの中に分け入り、
実際に生えているアヤワスカと初めて対面する。


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大木を締めあげるように絡みつき、上空へと伸びるそのツタは
なるほど父が大蛇(アナコンダ)と言われているだけあって
所々苔むしたその表面はまさにアナコンダというに相応しい模様をなしていて、
何とも言えない力強さをひしひしと感じる。
実際、このアヤワスカの生命力はとても強く、
両端を切ってほっておいても生命力を失うことはなく、
環境が整えば芽を出し、宿り木が見つかると大蛇のように絡みつき曲がりくねりながら
上へ上へと向かっていく。


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そしてもうひとつ、アヤワスカと呼ばれる飲み物には必要な植物がある。


チャクルナと呼ばれる、一見なんの変哲もない普通の葉っぱ。


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実際の作り方は、ぐつぐつと沸騰したお湯の中にアヤワスカのツタを叩いて潰したものと、
先ほどのチャクルナを入れて5時間ほど煮だし、さらにアヤワスカのツタを取り除いた後、
さらにチャクルナを混ぜて煮出す。
給食の大鍋程の大きさから煮出されて出来上がるのはわずか700ccにも満たない。
出来たての液体は初回に飲んだものより綺麗な赤銅色で匂いはサツマイモのように甘く、
ドロドロと粘り気がある。


シャーマンによってその配合や煮出す時間がそれぞれ違うようだが、
概ね、このような作り方でアヤワスカが出来上がる。


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このアヤワスカを作る際に、せっかくなので持っていた白いTシャツを
アヤワスカの煮汁で染めさせて貰うことにした。


アヤワスカの父である大蛇をイメージしてクルクルと捩じりながら糸で縛り上げていく。


・・と、完成したのはウルトラマンのキャラクターに出てきそうな、
なんともへんてこなアヤワスカ星人。
相方がアヤワスカンと名付けたそいつは自分でも笑っちゃうくらい奇天烈な感じに
仕上がり、シャーマンも大笑い。


嬉しくなってハンモックに寝かせてみたり、森の中に潜ませたり、
洗濯物と一緒に釣るしてみたり、写真を撮って楽しむ。


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その後、じっくりとアヤワスカの煮汁に入浴させた後、レモンの汁で色を定着させ、
そのまま天日で2日間干してみた。
糸を解いて出来上がったTシャツはイメージ通りで自分でも納得の上々の出来栄え。


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さて、話は戻ってその日の夕方。


またしても奥さんの体調が悪くなり、倒れてしまう。
前回ほどひどくはないようだが、やはり体調は思わしくなさそう。
そして当然のようにシャーマンの祈祷が始まる。
しばらくすると少し落ち着いてきたようだ。


それでもこのような状況でセレモニーを行っても良いものかどうか?


今回も残念ながら諦めるしかないとシャーマンに相談したところ、
今日の奥さんはもうすぐ良くなるから大丈夫と力強く答える。


信頼はしているシャーマンだけれど、その奥さんが寝ている同じ蚊帳の中で行われる
セレモニー。
どうしたって気になってしまうだろう。
それでも今日は大丈夫と答えるシャーマン。
僕らも結局その言葉を信じることにしてセレモニーを受けることにした。


夕方6時半


いつものように薬草の入った液体を全身にかぶりセレモニーの準備に入る。
セレモニーまでの約1時間半、瞑想をしてビジョンが見えるように精神を集中する。


夜8時。


セレモニーが始まる。
正直なところ、飲む前はやっぱり少し緊張してしまう。
想像以上ではなかったけれど、吐くのはやっぱり苦しいし、
アヤワスカの味も美味しいものでなかったから。


今日作ったばかりのその液体は前回のよりも明るく鮮明な色で
グラスに注がれるのを見ているだけで粘々しているのが手に取るようにわかる。


祈祷の後、渡されたアヤワスカは前回よりも少なく、かなり甘い匂い。
アヤワスカの精霊に精神と肉体を浄化し良きビジョンが見られるよう
祈りを捧げて一気に喉に流し込む。


出来たてほやほやのアヤワスカは思いのほか甘く、前回よりも飲みやすい。
ただ、喉を通るその感覚からも粘気がかなり強いことがわかる。


相方には前回よりも甘くて飲みやすいと伝えると
本当に?と疑いつつも、飲む前に大きく息をつき覚悟を決めて一気に飲み込む。


まずい!!


彼女的にはやっぱりまずかったようだ。


さて、今回のアヤワスカ。やはり何か違う。


飲んだ直後から喉に絡みついたアヤワスカが効いてくるのが分かる。


明らかに何かが違う。


ビジョンに集中する前に、すでにアヤワスカが全身を駆け巡る。
じっとしていられなくなるようなゾワゾワとした感覚とともに
1回目で経験したように眼をつぶった視覚の端っこがぐにゃりと曲がりだす。


今回は見られそうだ。


虫や鳥の鳴き声にかすかな旋律を感じ、森の声が頭の中に入ってくる。
その時、目をつぶっているので見ているわけではないが、感覚として
木霊のようなアヤワスカの精霊が視界の隅の方、セレモニー会場の天井の方から
自分をじっくりと観察しているような気がする。
これから中にはいっていいものかどうか伺っている感じだ。


この時も意識ははっきりとしており、
今、アヤワスカの精霊に心と体の準備ができているか、診断されているんだ。
そう思ったのをちゃんと覚えている。


少しずつ、ぐにゃっとした視界が拡大していく。
原始的で原色的な万華鏡のような世界。
まだはっきりとした形はなく、全てが細かい三角形で構成されている感じだ。
明らかにこれは自分が意識的に作りだした映像ではなく見えている状態。
それでも意識はかなりはっきりとしていた。


視界全てが原色の万華鏡のような状態になったとき、
その背景から様々な植物、動物、精霊、自然などが浮き上がってくる。


その状態を説明するのは難しいけれど、あえていうならば
赤、黄色、緑などのドットで構成された万華鏡のような世界があって、
それがぐにゃりと曲がりながら回っている。


そしてその世界のある部分が突然、意味ある形として見えて来る。


それが前段の植物や精霊たち。


ただ、現実の世界のようなはっきりとした色の区別があるわけではなく、
カメレオンのように色を変えながら浮き出てきてはまた背景に同化していく。
わかりやすいイメージとしては、映画「プレデター」みたいな感じだ。
ただその出て来たものたちの意味はまったくわからないし、繋がりも不明。


30分ほどしてシャーマンが効いたかどうか聞いてくる。
普通の状態に戻ってしまったので、
少しだけ見えたような気がする。と答えると


もう少し飲むか?と聞いてくる。
前回はかなり時間が経ってから吐いたので、もう少し様子を見てみてから飲む事にした。


相方の方は量が少なすぎたせいか今回は何も感じていないようだ。
もう少し飲むかと聞かれたが、今回はやめておくようだ。


確かに、一回で飲むなら多少量が多くても飲めるが、
2杯,3杯と後で追加するのは勇気と覚悟がいるし、なかなかそんな気分にはなれない。


シャーマンがおもむろにイカローを歌い出す。
それとともに強烈にやってくる吐き気。


やはり、シャーマンの歌うイカローと煙草の煙には
デトックスの効果があるようだ。
カラダの中のアヤワスカに反応しているのが分かる。


今回はビジョンに集中するために我慢せず、吐いてしまおう。


何度か押し寄せる吐き気の波に合わせて、指を突っ込んで吐く。
吐くまでは結構つらいけれど、吐いてしまえばかなり楽になる。。


そして嘔吐。


大量の発汗、とともに例のぞわっとした感覚が体の全身を覆い、
目をつぶった視界がくるくると曲がりながら回りだす。


来る。


もうこれは間違いなく来る。


今までははっきりと形にならなかったものが次第に輪郭を帯びてくる。
先ほど見たような原始的で原色に彩られた自然の姿が見えてくる。


そして次々に現れては消えて行く動物、植物、精霊のようなものたち。


これがビジョンか。


そのビジョンは止まることなく次々に浮かび上がってくる。
たくさんのモノを見た気がするが一気にいろんなものが飛び込み過ぎて
何を見ていたのかあまり覚えていない。


ただひとつ、強烈に覚えているのは
アナコンダやピューマ、精霊のようなものたち。


ジェットコースターに乗っているような疾走感があり、
輪郭はないが自分の魂?光が高速で移動している。


その最中、次々とアナコンダたちが前方から現れては、
大きな口を開けてその魂を飲み込もうとする。


不思議なことに次々と目前に現れる動物や精霊たちに食べられようとしているのに
瞬きひとつするほどの心の動揺もなく、恐怖感はこれっぽっちもない。


気付くと自意識は消滅していた。


高速で移動する光のような存在の中にあったはずの自意識が
そこから抜け出て、つかず離れず守護霊のようにその光のちょっと後ろを漂っているような感覚といったらいいだろうか。


迫りくるビジョンを自意識がないまま、ただただ、観ていた。


不安や恐れも全ての感情がなくなった無我の境地。



無意識=零意識。




全くのゼロの状態。




どれだけの時間をそうやって過ごしたのだろうか?
とても短かったような気もするが時間の意識もないので
正確にはわからない。


気付いた時にはいつもと同じようにマットに横たわっている自分がいた。


あれが悟りの境地だったのか?


しばらく、自分が見たビジョンと零の感覚を思い返してみる。
インドであったサドゥーやダライ・ラマなどはあの境地にいるのだろうか。


と、シャーマンがビジョンを見たか?とたずねてくる。


今回ははっきりと見えた。
そして、僕が見たビジョンの謎解きをして貰う。


シャーマンによるとアナコンダはアヤワスカそのもので、
自分がアヤワスカを飲んだ時、アヤワスカもまた自分を飲み込むのだと。
そしてその飲み込むという状態はアヤワスカ=アナコンダのエネルギーを
取り込んだということらしい。
そしてピューマは男の象徴で、男としてのエネルギーも取り込むことができたのだと言う。
そういうプロセスであるから、食べられたり、巻きつかれたりしても
まったく怖いものではないのだ。と


なるほど、なんだかこのなぞ解きを聞いて嬉しくなった。


いきなり、過去や未来が見えてしまう人もいるけれど、
僕の場合、ディエタをやっているせいか、
きちんといいプロセスを踏んでいる気がする。


体験1回目は、悪いモノを吐くことにより身体と魂の浄化。
そして今回の2回目は、準備が出来た身体と魂にアヤワスカのエネルギーが加わった。


否が応でも3回目への期待が高まる。


次回、シャーマニズム体験・意識変化へつづく

Comment

チャクルナって呼ぶんだね♪
過去をみたとか未来を見たとかも、そうとも言えるけど、自分を感じなおすと言うか、自分とはどこまでかって話にもなるんだけど、吐いたとき、玉は出た??(爆)

29 May 2011 | DMT

DMTさん

玉ですか??

玉は出なかったですよ(笑)


出たのは酸っぱいものだけでした。。。

31 May 2011 | Futoshi

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